畳の歴史
畳は時代に合せて改良され、今も日々進化し続けています。
畳は日本ならではの敷物です。
畳が貴族階級から庶民へと普及するまでは以下のような歴史を辿っています。
古代5世紀 / 7世紀
中国伝来のものが多い中で、畳は日本固有の敷物。
古来畳が敷物として使われていたことは、菅畳八重・皮畳八重などの記述がある「古事記」や「日本書記」までさかのぼります。
奈良時代
現存する畳の古いものは、奈良東大寺の北西にある正倉院に聖武天皇が使用された「御床畳」(ごしょうのたたみ)というものがありました。
この時代にはまだ畳床などはなく、菅畳(草畳)や皮畳のような筵(むしろ)のような物や、コモなどの敷物を重ねたものと推測されます。
平安時代
現在の畳に似た構造になったのはこの時代です。
貴族の邸宅が寝殿造の建築様式になり、板敷きに座具や寝具として置くという使い方で畳が所々に置かれるようになり、使う人の身分によって畳の厚さやヘリの柄・色が規定されていたようです。
鎌倉時代〜室町時代
書院造が生まれ、部屋全体に畳を敷き詰める使い方に発展しました。
それまでは高貴な人や客人のもてなしのためのものでしたが、建物の床材として利用されるようになったのです。
しかしそうした使い方は貴族や武士の富の象徴でありました。
安土・桃山時代
徒弟制度が生まれ、茶道の発達と共に、武士階級や商家に飛躍的に普及し、徐々に町人の家にも畳が敷かれるようになりました。
それでも身分による畳の制限の風習は残りました。
江戸時代(中期)
庶民も使えるようになり、畳師・畳屋と呼ばれる人々が活躍するようになりました。
明治時代
農民にも広く取り入れられるようになり、畳の使用やヘリの種類等も自由になり、畳干しする家々の光景があちらこちらで見られるよ言うになりました。