畳の話

畳の5つの特徴


畳を生活のなかに取り入れることは、生活に豊かさを感じさせるだけでなく、そこに暮らす人たちの身も心も健康にしてくれます。


1. 高い断熱性と保温性

5センチほどの厚さの畳床にはその材質に空気がしっかり詰まっています。

空気は熱を伝えにくいという性質があります。

つまり、畳は冷たい空気をシャットアウトし、たくわえた熱を逃がさない羽毛布団と同じ性質なので、あたたかく心地よいのです。


2. 優れた吸放湿性

夏は涼しく、冬は暖かいという畳の利点を生み出しているのは、畳表のイ草と床材。

イ草がスポンジとなって湿気を吸収し、畳床の中の空気が湿気を放出しながら、効率的に呼吸しているわけです。

畳一帖分の自然吸湿能力は約500ml。

ゆっくり湿気を吸って、吐きながら湿気を調整すると同時に、室内の温度を調節してくれます。

これはイ草という天然素材特有の機能で、この素晴らしい自然の働きが四季を通じて快適さと健康を支えてくれています。


3. 弾力性と、自然の色

畳の表面(畳表)のイ草がスポンジ状の構造で空気をたくわえ、フカフカした感触を生み出しています。

畳床にも空気はたっぷり。

こうした空気がクッションとなり、寝転べば心地よく、転んだ時でも衝撃を和らげてくれているのです。

また畳の色は人間の皮膚に近い自然色。

畳は安らぎの感触と視覚を与えてくれます。


4. 鎮静効果と、空気浄化作用

畳のすがすがしく懐かしい香りはイ草によるものですが、その爽やかな香りには、アロマテラピー効果があり、精神を安定させると言われています。

また東京大学工学部の研究によって、イ草が人体にあまり良くない二酸化窒素を吸着する働きがあることが分かっています。

畳は室内の空気を浄化しながら、私たちに森林浴と同じようなリラックス効果をもたらしてくれるのです。


さらに、北九州市立大学の調査によって、畳を敷いた教室で児童に算数の計算をさせたところ、解答率が14.4%アップしたという調査結果もあります。

このような結果からイ草には集中力を高める効果もあるという事がわかっています。


5. 吸音・遮音効果

畳の部屋は他の部屋に比べて静けさを感じます。

これは視覚的に「落ち着き」を感じるだけではなく、実際に畳床の空気が余計な音を吸収してくれるからです。

衝撃を弱くする弾力性に加え、この吸音効果があるので畳の部屋はいつも静かで、少々乱暴に歩いてもその振動や足音が弱まるのです。

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